Beijing 3/6-3/9

3/6

晴天だった。霧の都にも青空が。

あまりに嬉しくて、朝8時からの授業のあと自転車で学内の川沿いをひた走った。

東京のカンと晴れた冬空よりはすこし弱さのある光。猛獣のような夏の北京の太陽光との落差におどろいてしまう。スモッグの指数は一桁だった。

設立当初からあるらしい建物や、図書館の旧館など、回れるだけ回る。霧靄に隠れて気が付かなかったけれど、この大学にはそれなりに美しいものがあるのだ。その一つが学生たちなんだけれど、みんなほんとうによく勉強するので新学期が始まって1週間ほどなのに図書館の机に空きがなかった。ひとまず適当に手にとった紀行文の本を借りて帰った。

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清華学堂 多分一番古くて有名なたてもの。中はまだ授業に使われている。

3/7

朝6時起き、自転車で公安局へ。以前はビザセンターに処理を頼めばそれで終わりだったようだが、最近新しく増えた手続きらしい。なんなんだ。面接をして偽りがないか確認するのだと思う。思いの外早く終わり、寮に帰る。

午後は清華大学の博物館を見学する。「清華簡」に関するコーナーが面白い。周代の竹簡で、一つ一つ文字が解読されている。現代美術の展示を見ていて思ったけど、Seriesの中国語の音訳(翻訳?)が「系列 xi lie」なの冴えてるな。

 

3/8

友人に北京料理の店に連れて行ってもらう。さすがこちらの人はタクシーアプリの使い方が熟なれていて、気づかないうちに店の外に出たら車が呼ばれていた。すごい。

ここ数日の晴天について聞いてみたところ、党大会があるから工場の規制がかかっているらしい。ぼくが呑気に喜んでいたのは人工的な晴天だったんですね。そういえばここは共和国の首都だった。

それから、北京によくいる、烏ほどの大きさの青と白の翼の鳥の名前を教えてもらう。「喜鹊」。そうだ、かささぎだ。七夕の宵、天の川に翼で橋を架けてくれる鳥。「彦星の行合を待つかささぎの渡る橋をわれにかさなむ」。かささぎは、中国や朝鮮半島にはたくさんいるんだけど、日本では佐賀はじめ北九州にしかいない。菅原道真太宰府で都の栄華と家族を偲んでこの歌を詠んだんだよ。彼の時代に生息していたかは知らないし、限られた地域にしかいないなら、中国のお話に出てくる「鵲」がこの鳥だって当時推定できるとは思えないけど。今も実際の姿は知らないけど有名な鳥一位という感じだし。でも今は偶然にもけっこう彼の近くにいるんだな。翼を借りられるくらい。

 

3/9

4時間通しの授業のあと、隣の大学でやっている日本人会の新歓に混ざりにいった。初めてコールというものを聞いたよ。なぜ二次会までいってしまったのか、虚無すぎて途中でサッと抜けた。すでに異文化に身をおいているのに日本人同士でも異文化があるんだよなあと実感する。そしてやっぱりこちらでも大学ごとに学生の雰囲気がある。

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寮のテーブル 研究室からもらった紅茶とピーナツ(一袋)。あと苺が300円しなかった。安い。

とはいえ慣れないことにもほどほどに挑戦しつつ、やりたかったことはぶらさずに楽しくやりたい、バランスかあ。